表現の世界を広げる2大要素

⒈自然が描く線 - スポルテッドの美

スポルテッドとは、木の中に微細な菌が入り、時間と共に生まれる自然の”線画”のような模様です。
時に水墨画のように、時に抽象画のように、木が自ら描いたその線は、人工では決して再現できない美しさがあります。

作品では、この自然の即興をあえて活かし、他の木と調和させながら、抽象的な風景や物語を表現しています。

⒉焦がしが生む光と影

焦がし技法とは、熱く熱した砂の中に木のパーツを沈め、木材を焦がすことで陰影を生み出す表現方法です。焼き加減を見ながら一つ一つのパーツを丁寧にじっくり焦がしていきます。

色を塗るのではなく、焦がすことで自然な立体感、透明感を表現できます。

ただ平だったパーツに奥行きと存在感が生まれ、表現の幅は大きく広がります。私にとってこの技法は豊かな表現に欠かせない、大切な技法です。